一般社団法人 岐阜県手をつなぐ育成会


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岐阜県立はなの木苑における入所者への虐待に対する声
岐阜県立はなの木苑での障がい者虐待事案に関する声明の趣旨

岐阜県立はなの木苑における入所者への虐待に対する声明

 岐阜県立はなの木苑(指定管理者:社会福祉法人岐阜県福祉事業団)において令和6年9月に職員による利用者への虐待が発生し、当該職員は同年10月に暴行容疑で逮捕されました。
これを踏まえ、岐阜県において監査を実施した結果、同施設で働く職員14名が利用者18名に対して40の虐待行為をしているという驚くべき事実が判明しました。
社会福祉法人岐阜県福祉事業団(以下、事業団という)は平成26年にも同法人が運営する「ひまわりの丘第一学園」において障がいのある利用者に対し、職員が暴言を吐くといった事案が発生しており、改善勧告を受けています。

 本来、障がいのある人が安心して暮らせる場であるはずの施設内で、このようなことが繰り返し行われていることは、障がい者福祉施設への信頼を失墜させる行為であり、これからの施設利用者への影響は大きいものがあります。
はなの木苑での事案発生の要因として、人員の不足や虐待の判断基準の認識の甘さ等をあげていますが、報告された虐待の内容を見る限り、誰が見ても明らかな虐待であり、決して人手不足や認識の甘さが要因ではなく、福祉職員としての資質自体に問題があると言わざるを得ません。
そのような職員に対し特別な指導を行わなかった管理者の責任は大きいと言えます。

 今回の虐待は14名という非常に多くの職員が関わっていた事実からしても常態化していたと考えざるを得ません。
今後の対応として、支援マニュアルの見直しや職員研修はもちろんのこと、役員、管理者も含め、障がいのある人に対する人権教育の徹底と支援体制の改善を図ることを強く求めます。

 また、事業団は岐阜県より研修を委託されており、本来であれば模範となるべき法人です。
岐阜県は事業団に対し、役員及び管理者の責任を明確にし、組織の抜本的見直しと職員一人ひとりの資質の向上に対し、責任をもって取り組まれることを強く求めます。

                令和7年8月5日
                一般社団法人 岐阜県手をつなぐ育成会
                理事長 屼ノ下久美子


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岐阜県知事  江崎禎英 様


                   令和7年8月5日
                   (一社)岐阜県手をつなぐ育成会
                   理事長 屼ノ下久美子


   岐阜県立はなの木苑での障がい者虐待事案に関する声明の趣旨

 令和6年9月に発生した岐阜県福祉事業団が運営するはなの木苑での利用者への虐待事案は、私たち障がい者の家族にとって大きな衝撃でした。身体的虐待だけでなく、最も信頼すべき支援者から受けた暴言や心理的虐待は大きな心の傷となっています。

 地域で生活が困難な障がい者であっても、障がい特性に配慮した生活環境の提供と専門的な支援を受けることによって安定した生活を送ることができます。グループホームや入所施設は障がいのある人にとって自己実現を果たすためにとても大切な生活の場です。

 障がい者福祉に携わる人の法令遵守はもとより、障がい者への虐待行為に及んだ原因究明や社会的背景なども含め社会全体で考えることが必要です。

 岐阜県手をつなぐ育成会は、知的障がい者の権利を擁護する団体として、本事案を一施設の問題に止めることなく、障がい者福祉全体のサービスの質の向上及び障がい者の意思が尊重される社会の実現に繋がることを願い、広く社会に声明を発信します。